益田周防海(Suomi Masuda)/株式会社I-S3
太陽光発電は、発電能力を場所ごとに分けて置く技術です。蓄電池は、電力を保存する能力を分散させます。EVは移動手段であると同時に、大きな電池と電力需要を多くの場所へ運びます。これらが同時に増えると、現場で効いてくる問いは「1台をどう満充電するか」より、「多数の車と設備が、限られた受電容量をどう分けるか」に移ります。A-Chargeはその問いから設計しています。
太陽光を扱う仕事では、パネルの枚数より先に、系統へのつなぎ方・契約電力・30分値・自家消費のバランスが効いてきます。設備が増えても、入口の電力には上限があります。上限を無視した「全部フル出力」は、紙の上では書けても現場では続きません。監視やO&Mで見てきたのも、個別機器の良し悪しだけでなく、全体の電力と運用のつじつまです。
駐車場に充電器を置くと、同じ構造が車室単位で現れます。口数を増やせば需要は伸びやすい一方、施設の受電契約は簡単には増えません。急速を数口置くだけでは足りない現場もあれば、普通充電を広く置きたい現場もあります。どちらでも、同時に動く台数が増えた瞬間に「誰が・どの順番で・どれだけの出力を使えるか」が問題になります。
いま公開しているA-Chargeは、次のような設計です。将来構想と混ぜないために、実装済みの範囲に限ります。
充電器のある区画も、ない区画も、同じ受付・駐車時間課金で扱います。充電専用コーナーだけを切り出す前提ではありません。
車室のQRを読むだけで利用を開始できます(NO APP.)。会員登録を前提にしません。
施設の受電上限を設定すると、同時充電の合計が契約電力を超えないよう出力を自動配分します。口数を増やす話と、契約増強の話を切り離しやすくするためです。
混雑時の順番と利用権は、自社のRightOSで扱います。氏名や電話番号を集めず、「有効な権利があるか」を確かめます。RightOSは配車や万能OSではなく、権利検証の層です。
物理ロックを新設しなくても始められる運用を想定しています(NO LOCKS. NO CONES.)。設備投資の形が違う駐車場でも、まずソフトウェア側から入れる余地を残すためです。
太陽光や蓄電池と駐車場を組み合わせ、自家消費や災害時の給電まで見据える話は別ページで整理しています。そこでは収益の置き方やアイランド運転なども含めますが、A-Charge本体の必須機能としては扱いません。実装と構想を分けて読んでください。
筆者は株式会社I-S3代表取締役の益田周防海(Suomi Masuda)です。会社は太陽光発電・EV設置・ソフトウェアを扱い、A-ChargeとRightOSを開発・運営しています。本記事は製品の機能一覧ではなく、設計の理由を残すためのものです。